ゴミを捨てよう

ゴミを捨てねばならぬ。
そう思って一週間になろうとしている。何気に臭い。
このままではゴミ屋敷ならぬゴミマンションになってしまう。

そう思うのだが、
思うのだが、
ゴミを捨てるという行為は勢いが大事だと思う。
まず一旦ドアから出ないといけない。嫌だ。
またゴミ袋を引っ張ってかないといけない。嫌だ。
さらにゴミ袋を捨てた後、戻らないといけない。嫌だ。
つまりおれは出不精。
一旦帰ってきたら、もう外に出たくは無い。
外での用事は一気にすませるタイプです。

しかしそうも言っていられない。
ゴミを出すのは嫌で面倒だが、さすがに臭いのはもっと嫌。
不精を重ねた結果、
ゴミがゴミを呼び、ゴミマンションとなり、
『孤独男の実態 ゴミマンションの怪奇』
とニュースのネタにされるのだ。
そして「どうしてゴミを捨てないのですか?」というレポーターの問いに、おれは「太陽が黄色かったからだ」とカミュのように答え、
近所からは変人扱いを受け、
おれは泣く泣くマンションを引き払う。
おれは自分の不精を誤魔化した阿呆な言い訳を恥ずかしく思いながら、実家で家族の白い目を受けながら暮らす羽目になる…


分かりました。
分かりました。
ゴミを捨てることにしませう。