シンプルな生活

濯が面倒だ。
ひいひいいいながら、おそらく臭い肌着などを担いでコインランドリーに行き(洗濯機なんてハイカラなものは我が臥竜窟にはない)、安くはない金を投入し、30分近くぼーっとして、またひいひいいいながら洗濯した己の肌着―おそらく大して汚れも臭いも取れていないであろう―を担いで臥竜窟に戻らなくてはならぬ。
生きている限り洗濯物は出る、これは仕方が無い。
ならば出来るだけ洗濯物を減らそう。
これからはシンプルな生活だ。
今日ふらっと寄ったコンビニに、ビジネス街でバリバリ働く人の為の雑誌があった。おれには一切縁のない雑誌だが、「片付ける方法云々」と書いてあったので読んでみた。
そこには、「何時か使うかもしれない」ものや「捨てても手に入る」ものはドンドン捨ててしまえ、と買いてあった。高価だが滅多に使わないものを捨てる勇気が片付ける事が出来る第一歩だというらしい。
おれは「何時かいるかもしれない」としょーもない小物や着もしないシャツ、ちょっとした高価な買い物の領収書を貯め、「捨てても手に入る」靴下や小物を貯める。
だから永遠にシンプルな生活が出来ない。
今日も草履買ってしまった。
またシンプルな生活に一歩遠のいた。