夜目が覚める時

夜中、ふと目が覚めると、枕元にあるラジオを点けたくなる。
ラジオから流れるのはNHK第一。
ラジオ深夜便をやっている。民法ラジオは聴いていない。
民法ラジオを聴かなくなってどれくらい経つだろうか、
歳を経ったなと思う。
ラジオから流れるのは、カビが生えたような昔の歌だったり、
もう鬼籍に入られたであろう御人の落語であったり、
どこか地の果てでおれの知りようの無い物事を極めんとしている人のインタビューだったりと、
民法では5分と流れることはないであろう内容ばかり。
おれは寝ぼけているのでラジオの内容を詳しく覚えているほど聞き入ってない。
その内寝てしまう。
深夜にラジオを聞いていると、ああ、一人じゃないんだなという、妙にしみじみとした、後ろ向きな安心感が得られる。一人ぼっちにはテレビよりラジオのほうが性に合っているのかもしれない。
ちなみに今日は土曜日。
土曜日の夜はFMの方がおれ好みのプログラムがあるのでFMを点けさせていただく。NHKFM以外にジャズやクラシックをぶっ続けに数時間かけ続ける所は無いであろう。
明日は日曜日、ラジオもテレビも深夜には仮死状態に落ち込む時間である。しかしNHKだけは、いつもどおり深夜便を流している。
そしておれはまた安心する。